Dr. Aisaku Yamamoto
2026.04.23
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【皮膚科医が解説】なぜ「紫外線」で皮膚の病気が治療できるの?光線療法の仕組みと効果

「紫外線」と聞くと、日焼けやシミ、シワの原因といった「肌の敵」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、実は皮膚科の治療において、紫外線は非常に頼もしい味方でもあります。
塗り薬だけではなかなか改善しなかった症状が、皮膚科医の確認のもとで紫外線を数秒〜数分あてるだけで快方に向かうこともあります。そんな「光線療法(紫外線療法)」について、なぜ光で皮膚の病気が治るのか、その仕組みをわかりやすく解説します。

1. なぜ紫外線が「薬」になるの?

「日光浴をしたらアトピーやかゆみが落ち着いた」という話は、医師のあいだでは古くから知られていました。研究が進んだ現在、その理由は「紫外線が過剰な免疫反応を抑えてくれるから」であることがわかってきました。

私たちの体には、外敵(ウイルスや細菌など)から身を守るための免疫機能が備わっています。しかし、アトピー性皮膚炎や乾癬などの病気では、この免疫が「暴走」して自分の皮膚を攻撃してしまい、炎症やかゆみが引き起こされているケースがある、ということがわかってきました。

特定の波長の紫外線を肌にあてると、以下のような働きが期待できます。

  • 免疫の暴走を抑える:
    炎症やかゆみを引き起こしている免疫細胞の働きを抑えます。
  • かゆみを鎮める:
    神経の過敏な反応を和らげます。
  • 肌の生まれ変わりを整える:
    細胞が過剰に増えるのを抑えます。

2. 当院で実施している「光線療法(紫外線療法)」

そもそも紫外線とは?

我々は、波長が10nm~400nmまでの光をまとめて「紫外線」と呼んでいます。
そのため一言に「紫外線」と言っても、日焼け・シミ・皮膚がんなどの原因となり得る波長の紫外線からそうでない紫外線まで、波長によってその性質は大きく異なります。

引用:https://uv-asumi.com/uvcleaning-and-modifying/uv.html

皮膚科医が治療に使う紫外線

「紫外線」とだけ聞くと「悪いもの・怖いもの」だというイメージをお持ちの方もいらっしゃるものと思いますが、
皮膚科での治療に使われる紫外線は「波長が308nm~313nmの紫外線(UVB)」であり、

  • シミや皮膚がんに代表される人体への悪影響が少ない
  • アトピー性皮膚炎等の疾患に対する治療効果も高い

ということが確認されています。

ナローバンドUVB(広範囲の治療に)

治療効果の高い311ナノメートル前後の波長を持つ光(紫外線)だけを照射します。短時間で広範囲を照射でき、副作用が比較的少ないのが特徴です。

エキシマライト(ピンポイントの治療に)

さらにスポットを絞り、308ナノメートルの波長を持つ光をピンポイントに照射します。患部だけを狙い撃ちできるため、正常な皮膚にまで紫外線を照射してしまうことを避けられます。

3. どんな病気に効くの?(健康保険適用の疾患)

光線療法は以下にあるような多くの皮膚疾患で健康保険が適用される、効果が認められた治療法です。

アトピー性皮膚炎

なかなか治らない強いかゆみや湿疹に。

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん):

赤みやカサカサが目立つ症状に。

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん):

皮膚の色が抜けて白くなった部位に。

円形脱毛症

2020年から保険適用となりました。発毛を促す効果が期待されています。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

手足に発生する小さな水ぶくれや膿に。

4. 治療の流れと気になる費用

「紫外線をあてるのは熱そう・痛そう」と不安に思う方もいるかもしれませんが、痛みはほぼありません。

  詳細
照射時間 数秒から数分程度。いつもの診療以上に、特別に時間が必要ということはありません。
通院頻度 週に1回程度の頻度からスタートし、症状が落ち着くにつれて回数を減らしていきます。
費用(目安) 3割負担の方で、1回あたり1,000円〜1,200円程度です(再診料などは別途)。

5. 安全性と副作用について

光線療法は、皮膚科医の管理下で適切に行えば安全性の高い治療です。

ただ、一時的な副作用として、照射部の赤み、ほてり、日焼けのような色素沈着が起こることがあります。また、長期間の治療では皮膚がんのリスクがゼロではありませんが、ナローバンドUVBやエキシマライトではそのリスクは極めて低いと言われています。

皮膚科医からのメッセージ

塗り薬を毎日頑張っているけれど、なかなか良くならない。そんなストレスを抱えていませんか?光線療法は、そんなあなたの肌の悩みを解決する新しい一歩になるかもしれません。
「私の症状にも効くのかな?」と思ったら、どうぞお気軽に大井町駅前皮ふ科へご相談ください。

医療法人社団恒潤会(大井町駅前皮ふ科)
山本亜偉策

このコラムの執筆者
Dr. Aisaku Yamamoto
医療法人社団恒潤会 理事長。東京都出身。 昭和大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了ののち、同大学病院や都立病院等で勤務医として経験を重ねる。この勤務医時代に「武蔵小杉エリアには皮膚科が少ない」というお困りの声を伺ったことがきっかけで、2008年、皮膚科クリニック「こすぎ皮ふ科」を開業。その後2012年に「御嶽山皮ふ科」、2014年に「武蔵小杉皮ふ科」、2017年に「下丸子皮ふ科」、2026年に「大井町駅前皮ふ科」を開業。複数の皮膚科クリニックを運営する理事長業と並行しつつも、現在も診療現場にて、皮膚のことでお悩みになる方を1人でも減らすことを目標に治療にあたっている。プライベートでは筋トレ、ゴルフ、Mrs. Green Appleをこよなく愛している。
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