水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼ(伝染性軟属腫)
「子供の肌に小さなプツプツができて、どんどん増えてきた……」 「水いぼがあるとプールに入れないの?」
お子様に多く見られる「水いぼ」は、放っておくと数が増えたり、周囲にうつしてしまったりすることがあり、保護者の方にとって悩ましいトラブルの一つです。当院では、お子様の肌の状態やライフスタイルに合わせた治療法をご提案しています。
1. 水いぼ(伝染性軟属腫)とは?
水いぼは、正式には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼ばれる、ウイルスによる皮膚の感染症です。
- 症状: 直径数mm程度の、ツルツルとした光沢のある盛り上がりが特徴です。中心部が少し凹んでおり、その中にはウイルスの塊が含まれています。痛みはほとんどありませんが、かゆみを伴うことがあります。
かゆみの強い患者様の場合、水いぼ部分をひっかいて潰してしまい、中に入っていたウイルスが周囲の皮膚や他の人の皮膚に付着し、水いぼが広がってしまうことがあります。 - 発症しやすい年齢: 主に1歳から10歳くらいまでの子供に多く見られますが、大人がかかることも稀にあります。
- 経過: 水いぼは、放置していても免疫ができれば自然に治ること多いです。しかし、完治までに半年から3年程度かかることもあり、その間に水いぼが増殖したり、他の人にうつったりする可能性があるため、「できれば早く治したい」と希望される保護者の方も多いです。
2. 水いぼの原因と感染経路
原因は「伝染性軟属腫ウイルス」です。 ウイルスが皮膚の微細なキズから入り込むことで発症します。
- 接触感染: 「肌と肌が直接触れ合う」「タオルやビート板などを共有する」などによって、皮膚表面のウイルスが別の人の皮膚に付着し、感染/発症することがあります。
- 自己感染: 水いぼ部分がかゆい場合、それをかき壊してしまうことで、水いぼ内部にあるウイルスが周囲に広がり、自分の皮膚の別の場所へと水いぼが広がってしまう(数が増えてしまう)ことがあります。
特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎があるお子様は、皮膚のバリア機能が弱いためウイルスが皮膚内部へ侵入しやすく、感染しやすい傾向があります。
3. 当院での治療方法
水いぼの治療方針は医療機関によって異なりますが、当院では患者様のご希望に合わせて主に以下の選択肢をご用意しています。
① ピンセットによる摘除(物理的な除去)
専用のピンセットで水いぼをつまみ、中のウイルスの塊を押し出す方法です。
- メリット: 即効性があり、その場で確実にウイルスを取り除けます。
- デメリット: 水いぼを潰すことになるので、痛みを伴います。
- 麻酔について: 痛みを和らげるために麻酔テープ(ペンレステープなど)を使用する場合もあります。しかし、麻酔を実施したとしても痛みがゼロになるわけではないので、水いぼの数が多い場合などは痛みが強く摘除が難しいと判断される場合もあります。
② 塗り薬による治療(mBFクリーム®など)
銀イオン配合の「mBFクリーム」(自費診療)を患部に塗る治療法です。
- メリット: 塗るだけなので痛みがなく、小さなお子様でもストレスなく治療を続けられます。
- 経過: 1日2回塗布し、おおむね3〜6ヶ月で改善が見込めます。
- 副作用: 稀に、かぶれやかゆみが出ることがあります。
③ 漢方薬の内服(ヨクイニン)
消炎効果や体内の余分な水分を排出する効果、皮膚のウイルス感染に対する免疫力を高める効果などがあるとされるハトムギ由来の生薬「ヨクイニン」を服用する治療法です。お子様でも続けやすいですが、効果は補助的なものにとどまることが多いです。
④ 経過観察(自然治癒を待つ)
無理に処置をせず、自身の免疫でウイルスが消えるのを待つという選択肢もあります。治癒までに半年~数年ほどかかる可能性があります。また、自然に治るのを待つ間に、水いぼの数が増えたり周囲へうつしてしまったりするリスクがあります。
4. 日常生活で気をつけること
プールについて
水いぼは「学校において予防すべき感染症」には含まれておらず、登園・登校を禁止する必要はありません。また加えて、「水いぼは水でうつる疾患ではないのでプールに入ってよい」と日本皮膚科学会から声明が出ています(日本皮膚科学会の見解)
- プール: 水を介してうつることはないため、プールに入ること自体は禁止されていません。
- 注意点: タオルやビート板、浮き輪などを共有することや、肌どうしの接触から水いぼがうつる可能性はあります。プール後はシャワーで肌を綺麗に洗い流すことが重要です。
スキンケアの徹底
水いぼを予防・悪化させないためには、日頃からの保湿が最も重要です。 乾燥肌を改善してバリア機能を高めることで、ウイルスが入り込みにくい強い肌を作ることができます。
医師からのメッセージ
水いぼは「放っておけば治る」ケースも多いのですが、数が増えてから治療を始めるのはお子様にとっても負担が大きくなります。「これって水いぼかな?」と少しでも気になったら、数が増える前にお気軽にご相談ください。大井町駅直結の大井町駅前皮ふ科では、お子様の肌質やご家族のご希望に合わせた治療法をご提案いたします。
医療法人社団恒潤会(大井町駅前皮ふ科)
山本亜偉策
