ニキビ(尋常性ざ瘡)
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「ニキビは青春のシンボル」と放置されることもありますが、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚の病気です。放置すると「ニキビあと」として残ってしまう可能性があるため、症状が軽いうちから適切な治療を始めることが大切です。 当院では、患者様一人ひとりのお肌の状態を見極め、「保険診療」を中心に、必要に応じて「保険外診療(自由診療)」や「ホームケア」を組み合わせたアプローチをご提案します。
1. ニキビができる原因
ニキビは、主に以下の3つのステップが重なることで発生することが多いです。
- 過剰な皮脂分泌: 思春期やストレスによるホルモンバランスの影響で、皮脂が過剰に分泌されます。
- 毛穴のつまり(角層の異常): 不適切な洗顔や乾燥、ターンオーバーの乱れにより、毛穴の出口が厚くなりふさがります。
- アクネ菌の増殖と炎症: つまった毛穴の中でアクネ菌が増殖し、周囲に炎症(赤みや腫れ)を引き起こします。
その他、睡眠不足や食生活の乱れ、便秘、メイクによる刺激などもニキビの原因となることがあります。
2. ニキビの種類と進行
ニキビは進行度によって呼び方や見た目が異なります。ご自身のニキビがどの段階にあるかチェックしてみましょう。
- コメド(面ぽう): ニキビのはじまりで、毛穴が詰まった状態です。触るとザラザラします。 ・白ニキビ: 毛穴が閉じて皮脂が詰まっている状態。 ・黒ニキビ: 毛穴が開いて酸化した角栓が黒く見える状態。
- 赤ニキビ(紅色丘疹): アクネ菌によって炎症が起き、赤く腫れた状態です。
- 黄ニキビ(膿疱): 炎症がさらに悪化し、膿がたまった状態です。
- ニキビあと: 炎症が落ち着いた後も残ってしまった赤み、色素沈着、またはクレーターのような凹凸やケロイド状態のこと。

3. 当院での治療方法
皮膚科医が目指すゴールのひとつは、「ニキビができにくい肌」を作ることです。
保険診療(基本の治療)
まずは、保険適用の塗り薬と飲み薬を組み合わせた治療をご提案します。これだけでも十分に治療効果を得られる患者様が多くいらっしゃいます。
- 塗り薬(外用薬): 毛穴のつまりを改善する薬や、アクネ菌を抑える抗菌薬を使用・併用します。アダパレン(ディフェリンゲル®)、過酸化ベンゾイル(ベピオゲル®)、ナジフロキサシン(アクアチム®)、オゼノキサシン(ゼビアックス®)などが代表的です。これらは今あるニキビを治すだけでなく、使い続けることで新しいニキビの予防にも繋がります。患者様お一人おひとりの症状や肌質に合わせて、どの薬を使用するかご提案いたします。
| 主な目的 | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 毛穴の詰まりを改善する | ディフェリンゲル® (アダパレン) | 皮膚のターンオーバーを促進することで毛穴の詰まりを改善します。 白ニキビやマイクロコメド(目に見えない面皰)をできづらくする効果が見込めます。 現在あるニキビを改善する効果のみならず、ニキビが改善した後、よい状態の肌を維持する際にも推奨されます。 |
| ベピオゲル® (過酸化ベンゾイル) | 皮膚表面の古い角層を取り除くことで毛穴の詰まりを改善します。またアクネ菌などへの抗菌作用・抗炎症作用も持っています。 したがって、白ニキビや赤ニキビを減少させる効果が見込めます。 現在あるニキビを改善する効果のみならず、ニキビが改善した後、よい状態の肌を維持する際にも推奨されます。 | |
| デュアック配合ゲル® (クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル) | 皮膚表面の古い角層を取り除くことで毛穴の詰まりを改善するほか、クリンダマイシン(抗菌薬)が含まれていることにより、特に赤ニキビの炎症を抑える効果が見込めます。 耐性菌をむやみに出現させないようにするため、短期間の使用が望ましいです。 | |
| エピデュオゲル® (過酸化ベンゾイル/アダパレン) | 皮膚のターンオーバーを促進すること、および皮膚表面の古い角層を取り除くことで毛穴の詰まりを改善します。 白ニキビや赤ニキビを減少させる効果が見込めます。特に、中等症以上の炎症が進んだ赤ニキビによい適応があります。 | |
| ニキビの原因となる菌を殺菌する・抑える (抗生物質の外用薬) | アクアチム® (ナジフロキサシン) | 赤ニキビなどの炎症性ニキビに使用し、アクネ菌や表皮ブドウ球菌を殺菌します。 軟膏、クリーム、ローションなど、種類(剤形)が豊富にあるため、患者様の生活スタイルや症状に合わせて処方のご提案をいたします。 |
| ゼビアックス® (オゼノキサシン) | 赤ニキビなどの炎症性ニキビに使用し、アクネ菌や表皮ブドウ球菌を殺菌します。 一日一回の塗布でOKです。 | |
| ダラシンT® (クリンダマイシンリン酸エステル) | 赤ニキビなどの炎症性ニキビに使用し、アクネ菌や表皮ブドウ球菌を殺菌します。 |
- 飲み薬(内服薬): 炎症の程度やニキビの広がりを確認し、医師が必要と判断した場合に、抗生物質を短期間内服することがあります。耐性菌の発生を防ぐため、短期間の投与とすることが多いです。
保険外診療(自費診療)
「早く治したい」「保険診療では効果が不十分だった」という方には、以下の選択肢もご提案する場合があります。
- ケミカルピーリング: 古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進する施術です。
- イソトレチノイン: 難治性ニキビに対して高い効果が期待できる内服薬です。日本国内では未承認薬であるため、自費診療となります。
- アゼライン酸クリーム: 穀物にも含まれる成分(アゼライン酸)の作用で、皮脂分泌の抑制、メラニン生成の抑制、抗菌などの作用があります。妊娠中の方も使用可能です。日本国内では未承認薬であるため、自費診療となります。
4. 日常生活での注意点とホームケア
お肌の状態を健やかに保つには、ご自宅でのケアが欠かせません。
- 正しい洗顔: スキンケアの第一歩は洗顔です。優しく丁寧に行い、毛穴のつまりを防ぎましょう。
- 保湿と紫外線対策: 治療中の肌はデリケートになりやすいため、しっかりとした保湿と紫外線対策が重要です。
- 「潰さない」ことが鉄則: ニキビを自分で潰すと、炎症が悪化してニキビあとが残りやすくなります。
- ライフスタイルの改善: 規則正しい睡眠とバランスの取れた食生活を心がけてください。
ニキビのホームケアに関しては、こちらのコラムもご覧ください。
医師からのメッセージ
ニキビは「目立たないから」「まだ痛くないから」と放置せず、「できはじめ」に治療を開始するのが一番の近道です。1人で悩まず、どうぞお気軽に大井町駅前皮ふ科へご相談ください。通いやすい場所で、無理なく治療を続けていきましょう。
医療法人社団恒潤会(大井町駅前皮ふ科) 山本 亜偉策
