皮膚のかゆみ・かさかさ・じくじく皮膚の痛み
medical information medical-information medical-information
medical information medical-information medical-information

「急に肌がボコボコと赤く腫れ上がった」「猛烈にかゆいけれど、数時間で跡形もなく消えてしまった」……。このような症状を経験され、びっくりしながら診察室へいらっしゃる患者様は多くいらっしゃいます。しかし、「何が原因かわからない」「いつまた出るか不安」と、一人で悩みを抱えてしまう方が少なくありません。

当院では、皮膚科専門医・アレルギー専門医の立場から、患者様一人ひとりの症状に寄り添い、原因の追及から治療法のご提案まで丁寧に対応いたします。受診時に症状が消えていても全く問題ありませんので、まずは安心してお越しください。

1. じんましんとは?

じんましんは、皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹:ぼうしん)、かゆみや不快感を伴う病気です。膨疹は「みみず腫れ」のように見えることが多いですが、まぶたや唇など皮膚のやわらかい部分に発生するじんましんは「腫れぼったいむくみ」のように見えることもあります。

湿疹との違い

じんましんの最大の特徴は、「数時間以内(長くても24時間以内)に跡形もなく消えることが多い」という点にあります。場所を変えて次々と現れることはありますが、一つの膨疹が数日間とどまることはほとんどありません。これが湿疹など他の皮膚疾患とは大きく異なる点です。

何度も繰り返す「慢性じんましん」って?

一般的にはすぐに症状が消えてしまうことが多いじんましんですが、「症状が出たり引いたり、という状態が6週間以上続く」というケースもまれにあります。これは「慢性じんましん」と呼ばれますが、原因がなかなか特定できないことも多く、長期的な目線で治療の方針を立てていくことが重要となります。

2. なぜ起こる? じんましんのメカニズムと原因

何らかのきっかけで、皮膚の中にある「マスト細胞」から「ヒスタミン」という物質が放出されることで、じんましんは起こります。

ヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用すると、血管からまわりの組織へと血漿(血液の液体成分)が漏れ出してきやすくなります。この「まわりに漏れ出た水分」によって、皮膚がみみず腫れのように盛り上がって見えているのです。

主な原因と種類

じんましんの原因や性質は多岐にわたり、いくつかの種類に分けられています。

名称 特徴・原因
突発性じんましん 急性じんましん

原因がはっきりせず、すぐに症状が引くじんましんです。疲れやストレス、感染症などの体調の変化が関係している可能性があります。

じんましんの中でもかなり多くの割合を占めます。

慢性じんましん 原因がはっきりせず、症状が出たり引いたり、という状態が6週間以上続くじんましんです。疲れやストレス、感染症などの体調の変化が関係している可能性があります。患者様によっては、自己免疫疾患が関連しているケースもあります。
アレルギー性じんましん

食べ物(エビ、カニなど)、薬剤、植物、昆虫の毒など、特定の物質に対する反応として生じるじんましんです。

一般には「じんましんはアレルギーが原因なんじゃないの?」と思われることも多いのですが、実際には「アレルギーが明確に関与するじんましん」の割合は小さいです。

このタイプのじんましんがのど(喉頭)に生じた場合、気道が狭くなり、呼吸が苦しくなることがあります。息苦しさや(食べ物や飲み物の)飲み込みにくさを感じた場合、緊急性が高い状態に陥るケースもあるため、速やかにお近くの医療機関を受診してください。

コリン性じんましん

運動や入浴など、汗をかいた際にその汗が刺激となって現れるじんましんです。

膨疹がぽつぽつとしており比較的小さいのが特徴です。

活発に活動するお子さんや若年層の患者様に見られることがあります。

刺激誘発型じんましん 機械性じんましん 皮膚をかいたりこすったりした刺激が原因となって、ちょうどその刺激部分に膨疹が現れるタイプのじんましんです。
日光じんましん 日光に当たった部分がじんましんとなるタイプです。
遅延性圧じんましん 衣服やベルトで締め付けられた部分など、圧迫された箇所に起こるじんましんです。
薬剤性じんましん

痛み止めとして利用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、血圧を下げるお薬(ACE阻害薬)がきっかけとなって生じるじんましんです。

多くのお薬を併用されるご高齢の方の発症が比較的多いとされています。

3. 当院での診療:原因を突き止めるために

「いつ、どの部位に、どれくらいの症状を持つじんましんが現れたのか?」という状況の確認から、「そのじんましんは何に反応して現れたのか?」を検討してゆきます。

その結果、「これをしたときはいつもじんましんが出る」というような明確な悪化因子が特定できれば、当然、それを避けて生活することが重要になります。

しかし、なかなかすぐに原因が特定できないケースも多いため、必要に応じて血液検査や生活習慣(睡眠・食事・ストレス・スキンケアなど)の確認など、幅広い可能性の中から効果的な治療のアプローチを探ってゆきます。

※慢性じんましんの場合、血液検査で原因を特定できるケースはごく少数ですが、アレルギー以外にも全身の病気(甲状腺疾患や膠原病など)が隠れていないかを確認する上でも重要です。ごくまれに、そのような「全身性の疾患のサインとしてじんましんが現れていた」というケースがあるため、慎重に診療を進めております。

4. じんましんの治療法

じんましん治療の最終的なゴールは、「お薬を飲まなくても症状が出ない/出づらい状態になること」です。

まずは、安全性と有効性が確立されたガイドラインに従い、「第2世代抗ヒスタミン薬」という飲み薬を主体とした治療を行います。フェキソフェナジン(アレグラ®)、ロラタジン(クラリチン®)などが代表的です。

  • 一人ひとりに合わせた調整:効果が不十分な場合は、薬の種類を変えたり、別のお薬を組み合わせたりして、症状を抑える可能性の高い処方を探ります。
  • 副作用への配慮:抗ヒスタミン薬には「眠気」が出るものがありますが、最近では運転や仕事への影響が少ないお薬も登場しています。妊娠中や授乳中、持病のある方でも安心して飲めるお薬を、専門医が慎重に選択します。
  • 上記のような治療を実施しても、なかなか症状が充分に抑えられないような場合、じんましんの根本的なメカニズムに作用する「生物学的製剤(ゾレア®、デュピクセント®など)」を用いた治療をご提案する場合もあります。

5. 日常生活で気をつけるべきこと

治療を成功させるためには、日々の生活習慣も非常に重要です。

  • 「症状がない=治った」ではありません:症状が消えても、自己判断で薬を止めないでください。しばらく服用を続けることで、「じんましんが再燃しにくい状態を維持する」ことを目指します。
  • 悪化因子を避ける:一般的に、睡眠不足、過労、精神的ストレス、アルコール、辛い食べ物などは症状を悪化させやすいことがわかっています。
  • 飲み方の工夫:お薬の種類によっては、食後に飲むと効果が落ちるものもあります。お伝えした服用タイミングを守って定期的に服用することが、安定した効果への近道です。
  • 記録を取っておく:「どんな時に、どの程度の強さのじんましんが出たのか」という記録を残しておくことが、じんましんの原因を特定するための重要な手がかりとなります。スマートフォンのカメラで症状を写真に残しておく、その時の状況をメモしておくなど、記録を取ることをおすすめいたします。

皮膚科専門医からのメッセージ

「病院に着くころには症状が消えているから……」と受診をためらわれる方がいますが、どうぞ気になさらずお越しください。 可能であれば、症状が出ている時の様子をスマートフォンなどで写真に撮ってお持ちいただけると、診察の際の大きなヒントに繋がります。原因不明の慢性じんましんの場合、完治までに数年以上かかるというケースもありますが、根気よく、焦らず、じっくりと一緒に治していきましょう。大井町駅直結の大井町駅前皮ふ科へ、お気軽にご相談ください。

医療法人社団恒潤会(大井町駅前皮ふ科)
山本 亜偉策

WEB予約 事前WEB問診